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“中国の頭脳”を求める時代へ ~日本企業の留学生活用~(その3)

今回のコラムで3回連載の最後になります。

<中国人留学生の活用は“頭脳人材”の段階へ>

企業がなぜ中国人留学生を採用するかという点では、最近の傾向として

以下の4つがある。まず、国籍を問わず優秀な人材が欲しいということだ。

これは日本人と同じように国内で勤務し、その後も同様な処遇やキャリアを

たどることが前提にあろう。

特に最近は、真の“頭脳”としての中国人を求めるニーズが

高まっている。例えば、大手外資系コンサルティング会社の日本法人などでも、

中国人の方がモチベーションやスキルが高い人材が多いということで、

優秀な中国人を留学生または中国から直接採用したいという要望が出てきている。

日本にいても中国人の頭脳を求める時代に入り、また日本人は中国人とキャリア面で

競争する時代になり始めている。

次に、中国市場開拓に向けた人材である。中国市場に売るためには、

市場のニーズに合った製品開発ができる人材、製品を販売するための

代理店や小売店を上手に活用できる人材が必須だ。また、優秀な人材を採用し、

育成していく人事担当、メディアや政府などとの関係作りや広報を行う

PR担当者なども重要で、これらは中国人を活用したほうがよいケースも多い。

中国人留学生を採用して、日本本社で勤務後その後現地法人に派遣して

現地の重要なポジションを任せたり、中長期的には現地トップに据えていくという形の

キャリアが考えられる。

第3に、デパート、有名海外ブランド店舗、ホテルなどサービス業では、

最近増加している中国人観光客の販売・接客対応人材として、人材獲得競争が激化している。

大手有名ブランドであっても、店舗販売員の確保は非常に厳しい状況だという。

今年7月予定の訪日個人向け観光ビザ発給の緩和に伴い、さらなる観光客増が予想される中、

人員確保はますます重要になってくるだろう。銀座のファンケルストアの1階では、

サプリメントを求める中国人観光客が大半で、中国人や中国語を話せる店員が対応している。

第4に、最近話題となっているダイバーシティによる組織活性化である。

異なる価値観を持つ人材が組織に入ることでこれまでとは違う発想や

イノベーションが生まれるなどのメリットが考えられる。中国人留学生を採用することで、

日本人社員のグローバル化に対する意識を向上させるというメリットもあるだろう。

今後は、日本企業が中国を初めとする新興国に事業展開を加速する中、

様々な国籍の人材を交えて多様性を持ったチームの中でグローバルにプロジェクトを

推進していくことがますます必要になる。

今後は人件費が安いから中国人を採用する、という発想だと人材は中長期的には

企業に残らないだろう。彼らのキャリアに対する時間感覚は日本人と比べて

スピードが早いため、自分がこの企業で3年先、5年先にどういうポジションで

どういった業務につき、どの程度昇進できるかという「発展空間(キャリアの見通し・成長余地)」を

明確に伝えることは重要だ。

また、日本企業によくあるOJTのみならず、ビジネス日本語や専門分野などに

関する研修を充実させ、自分自身の成長を実感させるというような施策も必要になる。

Category: 執筆

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