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次世代グローバルリーダーのための「在り方」   ~社長コラム開設にあたり~

このたび、「日々感じるグローバルな視点」と題して、社長コラムを始めることとなりました。内容は、様々な分野にわたるかもしれませんが、次世代のグローバル人材、グローバルリーダーに求められることを中心に、グローバル教育、才能発見とキャリアデザイン、ダイバーシティ(多様性)など、国内外で感じたことについて書いていきます。

世界には、貧困、紛争、環境など様々な社会課題が山積しています。このような課題は、国をまたがっていたり、国内でも利害が複雑に絡み合っていることが多いため、一つの世代では解決が難しいかも知れません。しかし、どの時代においても若い世代のリーダーたちが各国で育ち、つながっていくことでダイナミックな動きとなります。そして、今度は自分たちがロールモデルとなり、さらにその次の世代にも志や思いは引き継がれていきます。
私は現在の高校生から30代である次世代が、グローバルリーダーとして活躍していくことに大きく期待しています。この世代は、一世代前が重視していた「モノ・お金・昇進」などよりも、「共感・つながり・社会貢献」という価値観を重視しています。そうした次世代に対し、「在り方」をベースに世界で活躍するリーダーになるための学びの場を提供し、共に世界の社会課題を解決していきたいと考えています。


グローバル人材、グローバルリーダーというと、とても自分と関係ない政治家や大企業の社長などを思い浮かべる人も多いかも知れません。しかし、そんなことはありません。たとえば、私が以前それを身近に感じられたこういう体験があります。

以前、アジアで開催されたグローバル研修の場に参加したときのことです。ここでは、「ラオスのダム建設への融資」というテーマでの話し合いで、参加者が4つの役割に分かれて議論する場面がありました。

ある村において安定的に水を供給することが急務であり、そのためにはダムの建設が必要です。また、ダムを建設するためにはそこに住む多くの村人たちが移住しなければなりません。
政府側の主張としては「私たちはダムを現在の村がある場所に建設したい。それは長期的な周辺地域への水供給のことを考えてのことなのだ」と言います。
一方で村人たちは「住み慣れた村に住み続けたい。老人も多いために移転は難しい」と主張します。ダム建設のために村人が移住すべきかどうかそれぞれの主張が対立し、議論のこう着状態が続きます。
そうした状態がしばらく続いたあと、政府の中国人メンバーが村人たちにこう切り出しました。
「あなた方の不安や心配されていることはよくわかります。しかし、あなた方の息子や娘、さらには孫のことを考えてください。満足な水が得られないこの場所で暮らし続けることが、本当に彼らにとってよいのでしょうか?」

その瞬間、議論の雰囲気がガラリと変わりました。
一人ひとりが問題を「自分ごと」として考えはじめたからです。その瞬間の皆の表情の変化は忘れられません。やがて村人たちは「家族や子孫のために、移住に同意する」という結論を出したのです。

この結論が正しいかどうかはわからないですが、ひとつ言えることは、家族のように身近な存在の未来を考えるとき、どんな人も素顔の個人に戻る。そんなふうに、世界の課題を身近な課題として考えることが、多くの社会問題を解決するグローバルリーダーの第一歩ではないかと実感したのです。


グローバル人材に必要な要素とは何でしょうか?「英語力」「ロジカルコミュニケーション」などとよく言われています。たしかにそれも大切なことですが、まずは「スキル (to do)」よりも「在り方 (to be)」です。グローバルに活躍するには、まずベースとなる「心の整え方」や「自分軸」が大事なのです。この土台がしっかりすることによって、自らの才能を発見し発揮しやすくなります。
こうして自分を知り、相手を知ることで、はじめて多様なメンバーが集うチームをリードすることができるようになるのです。
グローバルな観点での問題解決には多様性のあるチームが不可欠です。これは、性別、年齢、国籍などの違いにとどまりません。たとえ所属している社会やコミュニティの中では少数派であっても、1人1人に可能性や才能があるのです。

グローバル人材、グローバルリーダーの育成のために、様々な背景や価値観を持つ人達がまじりあう場を創っていくことが必要と考え、地方での講演を行ったり、大学を通じて中国の大学で日本人と中国人がともにキャリアデザインを考えるワークショップを行ったりしています。
ここで伝えていることも、スキルではありません。
「自分はなぜキャリアデザインを考える必要があるのか?」「なんのために働くのか?」「どういう志を持っているのか?」「社会に貢献できることは何か?」
このコラムを読んでくださっているみなさんも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
こういったことを仲間と一緒に考えてみたい人、すでに考えていて実行していくための仲間を探している人など思いを持った次世代のグローバルリーダーがつながる場をアジア、そして世界に広げていくのが当面の目標です。

Category: 社長コラム

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