Subscribe via RSS Feed

次世代リーダーインタビュー(第4回)「インドで働く ~初のインド訪問で働くことを決断~」(後半・八田飛鳥さん)

「インドで働く ~初のインド訪問で働くことを決断~」(後半)


今回もRGF Select India Private Limited (株式会社リクルートホールディングス海外法人)八田飛鳥さんにお話を伺います。インタビュー前半(リンク)ではインドでのお仕事について伺いましたが、後半ではキャリアを考える際に大切にしている価値観などよりパーソナルな部分を伺っていきます。

九門)インドで仕事をするとなると、日本での働き方や仕事の進め方とは違う部分もあると思いますが、その点で何か気づかれたことはありますか?

八田)色々と違う点はあります。例えば、採用面接のアポイントが決まっていてもインドでは事前、前日、当日など3~4回電話でアポイントを確認しないと当日急に面接に現れなかったりします。こうした点は日本と比べると手間がかかります。一方、良い点としてはインド人ははっきりと自分の意見を言う人が多いので、思っていることを言って衝突しても後を引かないことです。

九門)私もインドの大学の方と連絡をとっていてメールが全然返ってこなかったことがありました。インド人の知人に話を聞いたら、ファックスを送らないとだめですよと言われたことがあります。それなら事務担当の人が見て渡してくれるということだったのです。
こうした仕事の進め方の違いは色々あると思いますが、八田さんは特に気をつけていることはありますか?

八田)日本とインドでの仕事の進め方はかなり違いますが、どちらが正しいとは言い切れないのでなるべく相手を理解して違いがあれば一緒にプロセスを考えるようにしています。まず何かを変えたい時には、なぜ変える必要があるかを相手にわかるように伝えます。インドの場合は、相手に対するメリットを交えて話すとより相手を動かす事が出来ます。状況によっては、具体的なアクションプランについても話し合います。日本人がインド人を見下すようなケースも見られるのですが、それはインドで働く中ではしてはいけない事だと思っています。インド人のプライドを傷つけることもあり、よくないですね。

九門)そうですね、海外で働く時にも、結局は1人の人間として相手を尊重できるかどうかが大事なので、その点は気をつける必要がありますね。
インドには私も約10年前からほぼ毎年仕事で行っているのですが、八田さんはどういうきっかけでインドに行かれたのですか?

八田)きっかけは2つありました。1つは、双子の姉が既にインドで働いていて会いに行ったことです。初めてインドに行って5日間しかいなかったのですが、直感的に「ここで長期的にチャレンジしてみたい」と感じたのです。ちょうど東日本大震災の直後でこれから自分は何をしたいか考えていたというのも影響しているかも知れません。
もう1つのきっかけは、とても仲が良かった祖父が、私がインドに行く前の年の年末に他界したことです。大好きだった家族の死に直面して、「いつか人には死がやってくる」ことを実感し、「やれる時にやりたいことにチャレンジした方がいい」と感じたのです。それで、翌年退職して2012年の夏にインドに来ました。

九門)八田さんのおじいさまはご自分の死を通じて、大事なことを八田さんに伝えていたのかも知れませんね。私も中国にいた時に仲良くさせてもらっていた香港人の方が急逝されたのですが、その人がキャリアに悩んでいた私にしてくれたアドバイスも「(人生は一度きりなのだから)やりたいことをやった方がいい」というものでした。

それでも、いきなりインドで働くという決断は大きなものだと思います。八田さんは海外経験はあったのですか?

八田)はい、大学はアメリカに行ったので3年半ほどサンフランシスコの郊外に住んでいました。

九門)そうだったのですか。それでは、英語は問題なかったのですね?

八田)それが、海外に飛び込むという精神面での障壁はありませんでしたが、インド英語に慣れるのは大変でした。アクセントが強い人やインド英語特有の言い回しがあったりして、最初は言われていることがわかりませんでしたが、3-4ヶ月位で慣れました。
逆に他の海外に長期滞在の経験がなく、インドに来る人の方がインド英語に慣れるのは早いと聞きます。
インド英語特有の言い回しには、何かを強調するために“only”を使ったりするというのがあります。例えば、”I’m from Delhi only.(私はデリー出身です)”だと、「デリー出身」を強調するのに”only”を使うという具合です。

九門)私もインドでの英語にはだいぶ慣れてきましたが、やはり最初はわからないことが多かったです。また、早口の人やお話好きの人も多いので、最初の頃はインタビューに行ったのにほとんど質問できず、1時間くらい先方が話していたこともありました(笑)。

八田さんは、インドでの仕事は日本で見つけて行かれたのですか?

八田)これを言うとみなさんに驚かれるのですが、私の場合はインドに行ってしまってから就職活動をしました。今思えば、日本からスカイプで面接したり色々と便利に就職活動ができる方法はあったのですが、当時は企業の現場を見てしっかり対面してお話ししないとわからないだろうと思ったので姉を頼りにとにかくインドに行きました(笑)。

九門)それは思い切った渡航ですね。でも、日本に来る外国人の人たちと話していると、「日本語はできなかったけど、来ればなんとかなるだろうと思ってとにかく日本に来ました」という人が意外に多いです。私が以前書いた「アジアで働く」という本でも「まず海外に行ってみる」ことの大事さを伝えています。

こうしたキャリアや自分の人生を考える時に、八田さんは何を大切にされていますか?

八田)とてもシンプルですが、2つあります。1つは、自分の心の声を聞くことです。自分が本当にやりたいことは自分自身が一番よくわかっているはずで、それには自分が一番気づいてあげないといけないと思うんです。みなさんそういう心の声はあると思うのですが、周囲の環境やプレッシャーによってだんだん聞こえなくなってきたりします。
2つ目は、自分や大切な人が明日死を迎えたとしても後悔しないような生き方ができているかどうかです。

九門)ありがとうございます。大事な2点ですね。まさにその2つに従ってインドでのキャリアを選択されたということで、自分の思いに素直に生きておられるんだなと感じました。特に日本では、「組織のために」や「家族のために」など自分よりも周囲の環境を優先するプレッシャーが強いですね。お話しする仲で、私自身も自分の心の声を聞いて、後悔しないような生き方をしようと改めて決意しました。
インタビューの中でも出ましたが、日本とインドの間には交流や情報量が絶対的に不足しているのが現状です。日本の大学生をインドで留学・インターンさせるプログラム作成の仕事もしていますが、今後は日本にももっと優秀なインド人学生や社会人が来れるようにしていきたいと思います。
八田さん、今日はありがとうございました。

<八田飛鳥さんプロフィール>
19歳で渡米。
アメリカのカリフォルニア州立大学で国際関係学を学ぶ。
大学4年時に、現場で何が起きているかを知る為に、
メキシコ交換留学プログラムに応募、半年間メキシコで過ごす。
中国瀋陽にて中国進出のサポート事業を行うコンサルティング会社
にてサマーインターンを経験。
日本帰国後、起業家支援の会社で社会起業家支援プログラム等の
担当を行うなど、特にアーリーベンチャーを中心とした起業支援に携わる。
2012年、7月末に大好きだった会社を退職し、8月にインドに渡る。
インドにて、インド進出企業のビジネスを人材を通じて支援するために、
日系人材紹介会社に入社。
多くの人との出会いを大切に、インドで邁進中。
(終)

Category: 社長コラム

  • Click to send this page to Twitter!
  • About the Author: